東京サボリーマン糞ブログ。

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5/24

ブルートランスペレンシー。

LUNA SEAの曲に「Blue Transparency」ってのがあるんだけど、
インディーズの時の曲ね、
これは、村上龍のデビュー作「限りなく透明に近いブルー」をモチーフにした曲なんですな。
歌詞にも、そのままずばりタイトルが出てくるし、「血の流れが痛い」とか「吐いて毒を飲む」とかね、
連想させるような言葉が並んでいる。

っていうのはずっと知ってて、気にはなっていたんだけど、
なぜか読んでいなかった「限りなく透明に近いブルー」読了。
ダブル村上でも、村上龍はあんまり読んだことなくて、
いままで読んだのは「インザミソスープ」「69」「ラブアンドポップ」「昭和歌謡大全集」ぐらいかな。
「69」は青春小説で割ととっつきやすい。
映画にもなったし。
「インザミソスープ」は、記憶が曖昧だけど、結構理不尽な暴力の話だったような…。

イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)

イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)



村上龍は、内容が割とエグいという印象だったんだけど、果たして「限りなく…」もたしかにえぐかった。
テーマというか、扱っているモチーフが「ドラッグ」だから、そうなってしまうのは必然ではあるんだけど、
ラリってる時の描写とか、結構痛々しかったりして、生理的な嫌悪感を抱く人もいるんじゃないかしら。

ただ、この小説が評価されているポイントとして、「徹底的に客観的視点に寄り添った乾いた文体」ってのがあるんだけど、
たしかにそうなんだよね。
主人公のリュウLUNA SEAのボーカルはこれで共感したんかな?)は、限りなく客体であろうとしているかのような、そんな印象。
常に心ここに在らず、みたいな。
読んでる俺らは、さらにそれを眺めてる状況だから、もはや、共感するとか以前に、
悪い言い方をすると、見世物小屋感というか。
なんなんだろうこれは、っていう、読んでる間ずっとそんな感じ。

村上春樹のデビュー作もたしか、乾いた文体、っていうのがポイントとしてあったから、
この頃はそれが革命的だったんだろうな。

嫌いな作品ではないけど、もう一回読みたいかって聞かれたら、NOって言っちゃうような、そんな話でした。
サボり書評終わりっ。

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)