緩んだゴムの臨界点。
特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
自分にとって忘れられない言葉があって、
それは高校2年生の時、好きになった子が、クラスの自己紹介のところに書いていた言葉なんだけど、
「緩むべき時は思いっきり緩むべき」
それまで、基本的には何かに「うちこむ」ことしかしてないように思ってたんだけど、
そういえば、自分たちは意識的にたるむってことができるんだ!と気づかされた。
まぁそれから悪い方向にたるんでしまう、要は授業をサボり始めてしまうのだけど。
大学のとき、彼女と旅行に行った先の古本屋で見つけたこの本も、たるむこと、ゆるむことが必要な時もあるって教えてくれた本。
- 作者: 鈴木清剛
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/05/24
- メディア: Kindle版
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あらすじ: 主人公は、会社勤めが嫌になって脱サラしてフラフラ。ひょんなことから、友人のファッションブランド立ち上げを手伝うことになったのだけど…
という、あらすじから見れば普通の青春小説。というか、まぁ普通の青春小説なのかもしれないですが、
ちょっとネタバレではあるのだけど、主人公が、そのファッションブランドに真剣に関わっていくか、というと、決してそうではないってのがミソで。
そのブランドに対して、主人公は割と客観的というか、すごく第三者的な目線なんですね。常に。おれかんけーねーもん、って感じで。
またネタバレなんだけど、最後には主人公は、元の業界に戻っていくのね。
(話の過程が面白い本なので、たぶん問題はないはず。)
でもそれって、全然関係ないと思ってたはずのブランドに関わっていく上で、やっぱりこっちなんだって気づいたというか、一度ギアをゆるめて物事を見てみたら気づいたというか。だからね、
緩むことは決して悪いことじゃないし、緩むべき時には思いっきり緩むべきなんだよね。
張り詰めたままじゃ、いずれゴムは切れてしまうし、そのままでちゃんと物事を見ようとしたって、視野が狭い狭い。
もちろん、ずっと緩んだままじゃ、ゴムも元に戻らなくなるけど、でも、緩んだ時があったっていいじゃん、って。
そう思えるようになれた本。
その間に出会ったものもきっと、自分の中の何かに繋がってると思うしね。
だから、
私は今日もサボっています。