東京サボリーマン糞ブログ。

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ペアルックの番人。

アポのあと、
秋葉原のカフェベローチェで、いつものように時間をつぶしていて、
ふと前を見たら、ペアルックのカップルがいた。
いまどきペアルックってのもなかなかすごいけど、
それがまた、アロハシャツのペアルックなのである。
完全にハワイ帰りだと思うだろう。
だがおっそろしいことに、
彼らの周りにはスーツケースの類が一切ない。
皆無。
それはつまり、彼らは、普段着として、アロハシャツをペアルックで着ている、ってことだ。


もちろんファッションなんて人それぞれだし、
みんな好きなものを着たらよいとは思うけど、
さらにさらに悲しいことには、
2人が決してラブラブなように見えなかったのだ。
女はずっと携帯のゲームをして、画面をぶっ叩きまくっているし、
男は足を組んで、彼女の方も見ずぼんやりしている。
一般的にペアルックの人たちがするような行動でない。
もっと、くっつきあって、ひっつきあっていてくれたら、まだこっちも素直に憎めるのだけど、
なにがしか、踏み込んではいけない背景がありそうで、
私としては、1分間ほど、じっと見て
そして
読みかけの本に戻った。


それにしても、ペアルックを見たときのあのなんとも言えぬもの悲しさはなんなんだろう。
もの悲しさというか、うら寂しさというか。
「それ」が何かははっきりと口には出せないのだけど、
同じ感情を抱く時は、
例えば、ペットの犬がカートに乗せられて散歩しているのを見たときに湧く感情に似てるだろうか。
切なさとも言えるかもしれない。
決して届くことのない声。
僕らはそれを発する代わりに、苦笑いという形で何かを示すしかないのだ。



え、ペアルックっていま流行ってるの?
ふーんそう、そりゃ失礼。