君が好き。胸が痛い。
眠れなかった。
コーヒーを飲みすぎたってのもあるかもしれないけど。
あとは、年齢のせいなのかもしれないけど。
違う。
彼女のことを考えると眠れないのだ。
ドキドキする、というやつ。
もう深夜2時。
布団に入ったのが22時ごろだから、かれこれ4時間は悶々としていた計算になる。
眠るのはあきらめたほうがいいのだろうか。
何も考えまい、としたって、「何も考えまい」と考えてしまっている。
もうどうしようもない。
それもそのはず。
明日(正確には今日)、彼女に「好きだ」って言おうと思っているから。
14時に東京・神保町の喫茶店で会う約束は取り付けている。
布団に入るまでは何ともなかったのに、
電気を消したら、急に明日のことを意識し始めてしまった。
なんて切り出そうかな、
こう言ったらあの子はどんな反応をするかな、
喫茶店には時間通りにいたほうがいいかな、
フラれたあとはどんな顔したらいいのかな、
そのあとご飯まで食べに行くことになったらどこに行こうかな、
blah blah blah...
結果的に、僕は自分の気持ちを伝えることができなかった。
会った瞬間、彼女の心に僕がいないことがわかってしまった。
彼女は僕より先に喫茶店にいて、お昼のサンドイッチを食べていた。
6月で、彼女はスマイルマークの付いた白いTシャツを着ていた。
(基本的にシンプルな格好にワンポイント、というのが彼女のモットーだったらしい。)
アイスティーを飲みながら彼女の話を聞いているうちに、
この人の描く未来には自分がいないことに気づいてしまい、
(直接言われたわけではないけど、ほら、文脈を読んだのです。)
結局、自分の思いを伝えることなく、「それじゃ」と言って、彼女を置いて喫茶店をあとにした。
彼女は「わたし、もうちょっとここでぼーっとしていくね」と言っていた。
あの時、頑張って自分の思いを伝えていたら
今どうなっていたかなぁって、
ふとした瞬間に考えたりして
一人で照れ笑いしたりする。
男の子ってアホですね。